巡拝お寺ガイド

摩慮山 性寿院 まろざん しょうじゅいん しょうさんじ 第十二番札所 焼山寺

第十二番札所 焼山寺

怪しい大蛇の炎に包まれた焼け山の寺
御詠歌

後の世を思えば恭敬焼山寺死出や三途の難所ありとも

本尊

虚空蔵菩薩

真言

のうぼう あきゃしゃきゃらばや おん ありきゃまり ぼり そわか

宗派

高野山真言宗

開基

役行者小角

お寺の歴史・全体像

標高938mの焼山寺山の八合目付近に位置するこの寺は八十八ヶ所中、一番の難所だと言われています。もともとは大宝年間に役行者小角(えんのぎょうじゃおづぬ)が山を開き、蔵王権現をまつり、庵を結んだのがこの寺の歴史の始まりといわれています。ある日、弘法大師がこの地へ修行に訪れ、疲れから杉の木の下で眠って休んでいたところ、夢の中に阿弥陀さまが現れ、周囲の異変ぶりを告げられました。目を覚ますと、山は火の海に。そこで大師が身を清め、真言を唱えながら山を上ると、火が徐々に消えていきました。9合目あたりまで来た時、岩窟から大蛇が姿を現し、大師の修行の邪魔をしようと更に向ってきました。その時光と共に虚空蔵菩薩さまが現れ、その力を借りて大蛇を封じ込めました。その岩窟は、境内から歩いて30分の奥の院へ行く途中の道筋に残っています。そして大師自ら三面大黒天を彫り、岩窟の上に安置して以来、天変地異がおこらなくなったといいます。また、本尊の虚空蔵菩薩を刻み、焼け山の寺と名付け、梵語で水輪を意味する摩廬山と山号をつけたそうです。

お寺について

  • 三面大黒天

    弘法大師作のもので、中央に大黒天の像を、右面に毘沙門天の像を、左面に弁財天の像を彫ったものです。本堂に向って左側の三面大黒天に安置されています。日本三体のうちの一つであるが、他の2体はそれぞれの場所で焼失し、現在ではこの焼山寺にまつられているもののみだそうです。毘沙門天は手に持った塔から珍宝を出して民衆に授ける福の神であり、弁財天は水に縁深い女神で、その手に持った琵琶から心地良い音を出して民を喜ばせる神様で知恵の徳を授けてくれます。大黒天は戦闘の神であり、この3人の神が一体となっているだけあって、除災招福の神として大変深い信仰を集めています。

  • 奥の院への道

    奥の院への道

    奥の院へは境内から歩いて1kmの山頂にあり、途中には、大蛇を封じ込めた岩窟、牛頭権現、大師の杖を立てた杖立権現、せり割の岩、五葉の丸、蛇渕などがあります。また、大師が護摩をたいた大岩には、蛇伏せと称される、大師爪彫りの三面大黒天が残されているといいます。

  • 荘厳な雰囲気を漂わせる杉

    荘厳な雰囲気を漂わせる杉

    境内に足を踏み入れて驚くのは、杉の巨木の多さです。幹の樹周5m前後の巨木は天然記念物に指定されています。山門付近に約40本、本堂西南に約15本、そして奥の院に至る山中に100本余りあるといいます。推定樹齢は約300年で、焼山寺のシンボルです。

地図

焼山寺までのアクセス

JR徳島駅から国道438号線を神山町方面へ。城西高神山分校隣の雑貨店の横を右折し、橋を渡って山中へ。

  • JR徳島駅から車で約1時間30分
  • 徳島インターチェンジからは約1時間45分
  • 第十三番札所の大日寺まで車で約1時間
焼山寺
住所 : 徳島県神山町下分字地中318
TEL : 088-677-0112
寝坊 : あり
駐車場 : あり(参道入口・境内まで徒歩約10分、300円、100台)

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