巡拝お寺ガイド
竹林山 地蔵院 ちくりんざん じぞういん こうのみねじ 第二十七番札所 神峰寺
遍路泣かせの異名を持つ土佐路の関寺
御詠歌 | みほとけのめぐみの心こうのみね山も誓ひも高き水音 |
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本尊 | 十一面観世音菩薩 |
真言 | おん まかきゃろにきゃ そわか |
宗派 | 真言宗豊山派 |
開基 | 行基 |
お寺の歴史・全体像
「真っ縦」と呼ばれる急勾配の山道を登る神峯寺は、かつては難所として遍路泣かせの土佐路の関所寺でした。神宮(じんぐう)皇后が戦勝を祈願することを目的に、天照大神など諸神をまつったのがはじまりといわれています。
その後、行基が十一面観世音菩薩を刻んで本尊とし、神仏を合祀しました。弘法大師が聖武天皇の勅命により来錫、諸堂を整えます。明治時代には神仏分離令で廃寺となり、本尊の十一面観世音は金剛頂寺へと移されました。しかし明治17年には再興されました。この寺は三菱財閥創始者である岩崎弥太郎の母親が、息子の開運を祈願して熱心にお参りしたことでも知られています。母親は安芸市にある自宅から寺までの20kmを歩き、さらいは「真っ縦」を登る・・・という苦労を約21日間も続けました。母の愛のなせるわざか、明治維新までは土佐藩の下級武士だった岩崎家の出身ながら、弥太郎は日本を代表する大財閥の総師となることができたといいます。
お寺について
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本堂・大師堂
仁王門から本堂までは、約150段の石段を登りつめる。石段の両脇には美しい日本庭園が整備されていて、お遍路さんの疲れを癒してくれるようです。とりわけ早春の梅、初夏のツツジは美しい。石段を登りきったら本堂と大師堂へ。鬱蒼とした樹木を背にした堂宇は簡素ながらも堂々とした、たたずまいです。境内からは、土佐湾が一望できます。
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石段沿いの景観
寺内の景観の美しさでは、四国霊場でも有数といわれる神峯寺。石段の両脇には、樹齢百年の古木と、綺麗に手入れされた低木が植えられ、そのコントラストがとても美しいです。梅の季節にはウグイスの風流なさえずりを耳にする事ができます。この寺は花の名所としても有名です。
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石清水
急坂で疲れた遍路の喉を潤してくれるのは、鐘桜の裏手に湧く石清水です。この水は病気平癒に霊験あらたかであるという言い伝えがあります。この水には一つの伝説が残っています。北海道在住の女性が病の床につき、危篤状態の時に夢に弘法大師が現れました。大師は女性に鐘桜の後ろから湧く水を飲ませてくれたが、目覚めた後に女性は一命をとりとめました。その後、女性が夢に出た場所をこの神峯寺で見つけたといいます。
立ち寄りスポット
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土井廓中
ウバメガシの生け垣や武家屋敷が続く町並みは、安芸城跡の南西付近にひそりたたずみ、静かに古い歴史を物語っています。家屋内部を見学できるのは、約170年前に建てられた野村家のみです。家人が訪問者を確認するために設けられた「武者隠し」と呼ばれる壁など、武家屋敷独特の造りをチェックしたい所です。
住所 : 高知県安芸市土居 TEL : 0887-35-1011
神峯寺までのアクセス
南国インターチェンジから、室戸を目指す方向で国道32号線・国道55号線と走り、安田町東谷の出光石油GS前を左折。約1km道なりに走った後左折、約3km道なりに走ると正面にあります。
- 南国インターチェンジからは約1時間10分
- 第二十八番札所の大日寺まで車で約1時間
- 神峯寺
- 高知県安田町唐浜2594
TEL : 0887-38-5495
寝坊 : なし
駐車場 : あり(山門下、境内まで徒歩約10分、300円、30台)
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