巡拝お寺ガイド
龍頭山 光明院 りゅうとうざん こうみょういん こんごうちょうじ 第二十六番札所 金剛頂寺
天狗伝説が残る寺は「西寺」の名で親しまれている
御詠歌 | 住生に望みをかくる極楽は月のかたむく西寺の空 |
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本尊 | 薬師如来 |
真言 | おん ころころ せんだり まとうぎ そわか |
宗派 | 真言宗豊山派 |
開基 | 弘法大師 |
お寺の歴史・全体像
「東寺」と呼ばれる最御崎寺に対して、ここ金剛頂寺は「西寺」と呼ばれています。室戸岬から少し西に進んだ行当岬背後の高台に位置しており、寺域は3万3000平方メートルにも及びます。この寺は大同2年(807)、嵯峨天皇の勅願により弘法大師が開基しました。その当時は金剛定寺と呼ばれていました。その後、嵯峨天皇、淳和天皇(じゅんなんてんのう)の勅願所として栄えましたが、文明11年(1479)、火災のため堂宇を焼失します。
しかし、すぐに再興し、文明18年(1486)に金堂が建立された際には、根来寺学匠道瑜阿闇梨(ねごろじがくゆあじゃり)が来寺して、大曼陀羅供養(だいまんだらくよう)が行われました。平安時代には室戸市の大部分を寺領とする大寺院だった金剛頂寺。長宗我部氏や山内氏など代々の土佐藩主からも信仰を集め、立派な伽藍が整えられました。しかし、明治32年には再び火災に遭ったため、現在の堂宇はそれ以降に再建されたものです。また寺には寄生植物ヤッコソウも自生しており、これは県の天然記念物に指定されています。
お寺について
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大師堂
大師堂は、鎌倉時代に「天狗問答」という話があった場所に立つ。毎年旧暦の3月21日にのみ、弘法大師像が御開帳されています。
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一粒万倍の釜
大師堂の横にある一粒万倍の釜は、弘法大師が3合3勺の米を入れて炊いたところ、万倍にも増えたという伝説があります。
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本堂
本堂には弘法大師の手による薬師如来が安置されています。この像は完成した時自ら本堂の扉を開けて、鎮座したといわれているものです。毎年12月31日から翌年の1月8日までは、御開帳されています。
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霊宝殿
正倉院を思わせる校倉造りの建物。中には多くの文化財が収蔵されています。大師の金銅旅檀具(こんどうたびだんぐ)、朝鮮高麗時代の銅鐘、平安末期の作という木造阿弥陀如来座像、白鳳時代の作という銅像観音菩薩立像、鎌倉時代の作という真言八祖像などは国の重要文化財に指定。真言八祖とは、真言密教伝法の師8人のことをいいます。
立ち寄りスポット
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キラメッセ室戸鯨の郷
資料館とレストラン、特産品の直売所を備える道の駅。太平洋を眺めながらふるさと自慢の鯨料理が堪能できる「レストラン食遊」、室戸の特産品が並ぶ「物産センター楽市」、室戸の歴史や鯨の生態、日本初のザトウクジラの骨格標本を展示した「鯨館」と、楽しみがいっぱいです。気軽に立ち寄ってみよう。
住所 : 高知県室戸市吉良川丙890-11 TEL : 0887-25-3377
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中岡新太郎館
坂本龍馬と共に近代日本への道を大きく開いた中岡慎太郎の資料館。1階では映像やパネル、資料で彼の生涯をドラマチックに紹介。2階では交友、健脚、政治論、書、剣の5つの側面から慎太郎の夢や人となりを浮き彫りに。室戸岬にも彼の銅像が立っており、桂浜にある坂本龍馬と共に多くの人々に親しまれています。
住所 : 高知県北川村柏木140 TEL : 0887-38-8600
金剛頂寺までのアクセス
南国インターチェンジから、室戸を目指す方向で国道32号線・国道55号線と走り、室戸市のバス停元橋のところで左折、道なりに約2km走ると右手にあります。
- 南国インターチェンジからは約1時間40分
- 第二十七番札所の神峯寺まで車で約90分
- 金剛頂寺
- 高知県室戸市元乙523
TEL : 0887-23-0026
寝坊 : あり
駐車場 : あり(山門前、境内まで徒歩約3分、200円、30台)
お気軽に
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