巡拝お寺ガイド
巨鼇山 千手院 きょごうざん せんじゅいん うんぺんじ 第六十六番札所 雲辺寺
札所一高い場所にある寺
御詠歌 | はるばると雲のほとりの寺に来て月日を今は麓にぞ見る |
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本尊 | 千手観世音菩薩 |
真言 | おん ばざら たらま きりく |
宗派 | 真言宗御室派 |
開基 | 弘法大師 |
お寺の歴史・全体像
標高927m香川県と徳島県の県境をまたぐ四国山脈に位置する雲辺寺は、霊場の中では最も高い場所にあります。「遍路泣かせ」と言われた、この急勾配な坂道は登りに2時間はかかる最大の難所とされてきました。今はロープーウェイで7分ほどです。霊山の趣に惹かれた当寺、16歳の弘法大師が延暦8年(789)に堂宇を建てたのが始まりです。以後は僧侶達の学問を修める場として栄えました。
戦国時代には土佐の長宗我部元親が登山し、眼下に広がる讃岐や伊予の平野を望みながら四国合併の野望を抱いた話は有名です。その野望を当時の住職・俊崇坊(しゅんそうぼう)に打ち明けると「あなたの器は土佐一国の主だ。それが四国の主になろうとは、茶釜の蓋で水桶の蓋をするようなもの。今は兵を引いて土佐に帰り、領民を愛するが良い」と説法したといいます。戦いにおいては手段を選ばない元親が、この時ばかりは住職の言うことを聞き、雲辺寺も戦禍を免れました。寺を守った住職も傑物と伝えられています。一年を通じて下界より5~10度も気温が低く、シーズン遅れの花や紅葉が素晴らしいです。特に、5月中頃までのシャクナゲ、10月末までのアジサイは見ものです。
お寺について
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本堂・大師堂
簡素でがっしりしていて、いかにも山寺という趣。大師は16歳の頃に堂宇を作って修行しました。大同2年(807)になると、嵯峨天皇の勅願を奉じて再び登山し、本尊の千手観音を刻んで安置しました。仏舎利(ぶしゃり)と毘廬遮那法印(びるしゃなほういん)を山中に納めて開基したと伝えられています。山頂駅から徒歩5分で大師堂にたどり着きます。大師像は大師堂奥にある拝殿に安置され、目にすることはできません。
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五百羅漢像
大師が入唐の際、初めて土を踏んだ赤岸鎮福建省(せきがんちふっけんしょう)の五百羅漢院の羅漢像を模して刻んだものです。山頂駅から境内にいたるあちこちに安置されています。
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おたのみなす
本堂の脇にあるなすの形をした腰掛です。「なす」と「成す」をかけて、努力が認められて願いが叶うと言われています。これに座って「お頼みなす」と願を掛ければ、いつか叶う日がくるかもしれません。
立ち寄りスポット
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毘沙門天展望館
雲辺寺ロープウェイの山頂駅を降りると見える、巨大な毘沙門天像。足元は展望館になっており、雲辺寺よりも高台に位置するので、360度の眺望が楽しめます。館内は山の四季や眺望を撮影した写真や、八十八ヵ所の版画を展示。また、チケットに描かれた毘沙門天を折らずに持っておくと、ご利益があるようです。
住所 : 雲辺寺境内隣り
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萩乃店
雲辺寺ロープウェイ山麓駅前にある茶店。店先で炭焼きしている甘辛い味噌ダレ風味の焼きだんご(300円)が名物で、店先でも店内でもいただける気軽さがなんともGOOD!甘酒(200円)やたこやき(300円)、ところてん(200円)もあります。どくだみ茶の喉をすぅっと通る爽快感も気持ち良い。萩の木で作られた壁も見ものです。
住所 : 香川県観音寺市大野原町丸井西間谷 TEL : 0875-54-5051
雲辺寺までのアクセス
大野原インターチェンジから高松市内向きに国道11号線・県道8号線へ。ロープウェイの看板に沿って山道を走れば、雲辺寺に到着します。
- 大野原インターチェンジからは約15分
- 第六十七番札所の大興寺まで車で約50分
- 雲辺寺
- 住所 : 徳島県三好市池田町白地763-2
TEL : 0883-74-1707
寝坊 : なし
駐車場 : あり(ロープウェイ乗り場・山頂駅から本堂まで徒歩5分、無料、500台)
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