巡拝お寺ガイド
小松尾山 不動光院 こまつおざん ふどうこういん だいこうじ 第六十七番札所 大興寺
由緒ある仁王像と巨木がそびえる二大宗派の修業場
御詠歌 | 植え置きし小松尾寺を眺むれば法の教えの風ぞ吹きぬる |
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本尊 | 薬師如来 |
真言 | おん ころころ せんだり まとうぎ そわか |
宗派 | 真言宗善通寺派 |
開基 | 弘法大師 |
お寺の歴史・全体像
周りはのどかな田園風景が広がり、地元では「小松尾さん」と呼ばれ、親しまれている大興寺。寺の前の小さな橋を渡って仁王門をくぐります。この寺は、弘仁13年(822)、嵯峨天皇の勅願により弘法大師が熊野権現鎮護の札所として開いたのが始まりと伝えられています。薬師如来を刻んで本尊として安置し、堂宇を建立したといいます。
その後、修行道場として栄えその最盛期には真言宗24坊、天台宗12坊が境内に並んでいました。現在は真言宗ですが、かつては二大宗派の修行者達が大興寺で修行していたといい、とても珍しいお寺です。今も正面に本堂、左右に大師堂と天台大師堂が並んでいます。本尊の薬師如来は檜材一刀三礼の座像で、大師の一刀三礼の作と伝われています。その尊像は尊厳と慈悲に満ちた顔をしているようだが、秘仏となっています。寺の歴史も古く、文化財に指定されている寺宝は数多くあります。
お寺について
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本堂・大師堂
本堂には、何本もの赤いロウソクの火がゆらめいています。これは「七日燈明」と呼ばれる秘法で、赤い大ロウソクに願い事を書いて奉納すると、七日間ロウソクを灯して祈願してくれるというものです。参拝できない遠方の信者にも好評です。大師堂は本堂の左手にあります。かつて、東大寺の末寺に属し、台秘二教の道場として栄え、天台大師堂と共にかつての修行道場の面影を残します。
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仁王門
仁王門の金剛力士像は、彩色を施した檜材の寄木造りで、作者は運慶と寺伝にはあるが、頭の部分だけは江戸時代に替えられたものと言われています。像高は3.14mあり、腰から下の量感あふれる線は力強く、鎌倉時代特有の動きがよく出ています。
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天台大師堂
本堂の右手にあるのが中国の天台宗第三祖天台大師智顗(ちぎ)を祀る天台大師堂です。中に納められている大師座像は、彩色を施した檜材の寄木造りで鎌倉時代の作。頭に頭巾を抱き、納衣の上に袈裟をかけ、両手は腹の前で褝定印を結んでいます。
立ち寄りスポット
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大興寺とカヤとクス
大興寺の山門を入ると、92段の苔むす石段がのびており、途中に頭上を覆うかのようなカヤ(手前)とクス(奥)の巨木がそびえています。弘法大師お手植えと言われ、樹齢1,200年は超えるが、今なお緑深い葉を繁らせています。カヤの屋かさは20mで県の自然記念物に、クスの高さは25mで県の保存木に指定されています。
大興寺石段脇 TEL : 0875-63-2341(大興寺)
大興寺までのアクセス
大野原インターチェンジから高松市内向きに国道11号線・県道240号線・国道377号線を経由して、観音寺市から山本町へ入ります。大興寺の看板を左折して直進、右手に見えてきます。
- 大野原インターチェンジからは約30分
- 第六十八番札所の神恵院まで車で約20分
- 大興寺
- 住所 : 香川県三豊市山本町辻4209
TEL : 0875-63-2341
寝坊 : なし
駐車場 : あり(石段すぐ横・境内まで徒歩3分、無料、40台)
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