巡拝お寺ガイド

瀧雲山 護持院 りゅううんざん ごじいん たいさんじ 第五十二番札所 太山寺

第五十二番札所 太山寺

一夜にして堂宇が建立された見所の多い札所
御詠歌

たいさんへのぼれば汗のいでけれどのちの世おもへばなんの苦もなし

本尊

十一面観世音菩薩

真言

おん まか きゃろにきゃ そわか

宗派

真言宗智山派

開基

真野長者

お寺の歴史・全体像

平安後期から歴代の天皇の帰依を集めたといわれる太山寺の創建者は、豊後国の真野長者。用明2年(586)、長者が大阪に向う途中の高浜沖で風雨に襲われた時、観音菩薩に祈って海難を逃れました。長者はその御礼として自国で木組した建材を運び、一夜で寺を建立したと伝えられています。天平11年(739)には、聖武天皇勅願により行基が十一面観音を刻んで本尊として安置しました。孝謙天皇の時代(749~758)には66坊が建ち、七堂伽藍をもつ立派な寺となりました。弘法大師が巡錫されたのは天長年間(824~833)のこと。しかし後に寺は荒廃の憂き目に。そこで嘉元3年(1305)、領主河野家によって再建されました。現在の本堂はその時代のものです。太山寺は、参道の風情の美しさにも定評があります。樹木に覆われた参道沿いには、かつての遍路宿が昔の面影を残しています。

山門から200mほど進むと右手が納経所、左手には眼病平癒の信仰を集めている一畑薬師堂(いちばたやくしどう)があります。ここでは「め」または「目」の字を自分の歳の数だけ書いて供え、薬師如来の真言を唱えます。また、境内左手にある仏足石は、苦しみや悲しみを解きほぐし、転禍私至福、緒願成就するとか。一風変わっているのは、大師堂そばに残る三重塔の礎石の一つです。この石を新しい亀の子たわしで洗うと、痔の痛みが和らぎ完治するという話です。このほかにもハイキングコースにもなっている奥の院、立札式の茶室・光津庵、子宝祈願の信仰を集める子授け観音なども訪ねてみたいところです。参道や境内の点在する句碑を観賞するのも一興です。山門そばのひきひき地蔵は、昔太山寺の茶屋にいた美しい娘の魂をなぐさめるために建立されたものです。力自慢の二人の求婚者が互いに譲らず、娘を引っ張り合った末、死なせてしまった・・・という伝説が残されています。

お寺について

  • 本堂

    四国霊場では二番目に古いといわれている本堂は、左手奥にある真野長者をおまつりしていて、毎年3月18日は供養の祭りが行われています。

  • 鐘楼堂(しょうろうどう)

    江戸時代に再建された堂は裃腰と呼ばれる曲線が美しい建物。壁画に描かれた地獄絵・極楽絵は圧巻です。

  • 亀の石

    亀の石

    その昔、力比べに使った石の一つです。大中小の石があるというが、現在残っているのは「中」の石です。村祭りの時には若者はこの石を運んで力自慢をしたといいます。

  • 聖徳太子堂

    聖徳太子堂

    かつて伊予の国に来られた聖徳太子は、この寺と縁を結びました。境内の一角にある聖徳太子堂・夢殿にあるのと同じ聖徳太子像が祀られていて、太子の聡明さにあやかろうという人々で賑わっています。

地図

太山寺までのアクセス

松山インターチェンジから国道33号線を松山市街へ。南環状線・国道196号線と走り、内宮交差点で左折。そのまま直進すると見えてきます。

  • 松山インターチェンジからは約35分
  • 第五十三番札所の円明寺まで車で約5分
太山寺
住所 : 愛媛県松山市太山寺町1730
TEL : 089-978-0329
寝坊 : なし
駐車場 : あり(中門横・境内まで徒歩2分、無料、50台)

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