巡拝お寺ガイド
本尾山 朱雀院 もとおざん しゅじゃくいん たねまじ 第三十四番札所 種間寺
底の抜けたひしゃくは安産祈願の奉納品
御詠歌 | 世の中にまける五穀のたねま寺深き如来の大悲なりけり |
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本尊 | 薬師如来 |
真言 | おん ころころ せんだり まとうぎ そわか |
宗派 | 真言宗豊山派 |
開基 | 弘法大師 |
お寺の歴史・全体像
種間寺の創建は古く、用明天皇(6世紀後半)にさかのぼります。百済からの仏師が帰国途中に土佐沖で暴風雨に遭ってしまいます。そこで、やむなくこの地に近い秋山港に避難。四尺八寸(約145cm)の薬師如来像を刻み、本尾山山頂に安置して航海の安全を祈願しました。その後、平安時代の初期には弘法大師が来錫。百済の仏師が彫った薬師如来像を本尊に、寺を開創したといいます。
この時、大師は唐から持ち帰った五穀(米・麦・栗・キビ・豆)の種を寺に蒔いたようです。これが寺号の由来です。その後も寺は栄えて、天暦年間(947~957)には村上天皇が藤原信家を勅使として遣わされたほか、藩政時代には土佐藩主・山内家からも信仰を集めたといいます。明治4年に廃仏毀釈で、一時的に廃寺となるが、明治13年には再興しました。種間寺の奥の院は海岸近くにあるが、こちらも薬師如来がまつられています。
お寺について
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本尊の薬師如来像
百済の仏師が彫ったとされる薬師如来像は、国宝にも指定された貴重な仏像です。旧暦1月21日は一般にも御開帳されます。
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本堂
山門はなく、細長く延びた境内には、本堂、大師堂、本坊がたたずむ。伽藍は、すげて昭和45年の台風の後に再建されたものです。それまでは歴史のある堂宇が並んでいたそうだが、今はコンクリート造りのモダンな堂宇となっています。そのため本堂には春野町指定文化財の木造薬師如来立像を保存。高さ32.3cm、一木造のこの像は、残念だが未公開です。
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観音堂 安産の薬師さん
昔から安産のご利益があると言われている尊像。この寺も然り、大師堂には、子育観音がまつられています。観音様の左手には可愛い赤ちゃんの像があるほか、観音像のまわりには、無事出産をおえた信者からの奉納である底の抜けた柄杓がびっしりと並んでいます。
立ち寄りスポット
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種間寺のお地蔵さん
種間寺本堂に向かう参道沿いには、お地蔵さんがズラリと並んでいます。それだけなら決して珍しい光景ではないのだが、この寺のお地蔵さんはレンガやタイルの祠に入っています。レンガに入っているお地蔵さんは戦前に建立されたもの、タイルは比較的新しいものだとか。大切にまつる気持ちがうかがえます。
住所 : 高知県春野町秋山72 TEL : 088-894-2234
種間寺までの地図
伊野インターチェンジから、高知西バイパス・国道56号線で春野町方面へ。バス停大橋北詰を左折し、県道14号に入る。県道279号線に左折し、まっすぐに走ると右手にあります。
- 伊野インターチェンジからは約30分
- 第三十五番札所の清滝寺まで車で約40分
- 種間寺
- 高知県春野町秋山72
TEL : 088-894-2234
寝坊 : なし
駐車場 : あり(トイレ横、境内まで徒歩約2分、無料、15台)
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