巡拝お寺ガイド
五台山 金色院 ごだいさん こんじきいん ちくりんじ 第三十一番札所 竹林寺
数多くの見所と逸話が残る土佐の名刹
御詠歌 | 南無文殊三世の仏の母ときくわれも子なれば乳こそほしけれ |
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本尊 | 文殊菩薩 |
真言 | おん あらはしゃのう |
宗派 | 真言宗智山派 |
開基 | 行基 |
お寺の歴史・全体像
神亀元年(724)、聖武天皇の「文殊菩薩の聖地、中国五台山に似た山を探しだす」という勅願により行基がこの地を選び開創した土佐屈指の古刹。聖武天皇は文殊菩薩の聖地・中国五台山で文殊菩薩に会う夢を見て、国内で五台山に似た山を探し出すことを行基に命じます。
諸国を歩いた行基は土佐の五台山を選び、本尊の文殊菩薩を自ら刻んで堂塔を建立しました。その後、大同年間(806~810)には弘法大師が来錫。瑜伽行法を修し、堂宇を補修しました。江戸時代に入ってからは土佐藩主の帰依を受けて、寺運は大いに隆盛します。堂塔は土佐随一の荘厳さを誇り、名僧が集まってきました。そのため「南海第一道場」と呼ばれ、学山(学問寺)として土佐の信仰や文化の中心地となります。土佐の有名な民謡「よさこい節」に登場する僧・純信も、江戸時代末期にこの寺の脇坊である南の坊に住む修行僧の一人だったそうです。だがそんな名刹も明治の廃仏毀釈により廃寺になり、堂宇は打ち捨てられ、僧たちは離散するが、その後再興されました。
お寺について
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本堂
寛永20年(1643)の火災の後、土佐二代藩主・山内忠義によって造営された本堂は、二層の仁王門をくぐり、石段を登ったところにあります。本尊の文殊菩薩座像をまつっていることから、文殊堂と呼ばれています。五間四面入母屋造り、柿(こけら)葺きの建物の周辺には緑がめぐらされ、中央に階段が設置されています。建造は室町時代といわれています。本尊の文殊菩薩は、4人の侍者を従えて獅子に乗った「騎獅子文殊」で、50年に一度しか開帳されない秘仏です。同様のものでは日本最古で、本堂とともに国の重要文化財に指定されています。次回の開帳は2014年。侍者の像は宝物館で拝観できます。
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名作庭家の手による庭園
池泉観賞式の庭園の見事さもこの寺の魅力の一つです。客殿の西部と北部に広がる庭は、名作庭家・夢窓国師(むそうこくし)の手によるものといわれています。山畔を利用して造られた北庭、江戸中期には、一部分が嵯峨流庭園として改められました。昭和9年には名勝の指定を受け、県内三名園にも数えられています。
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総檜造りの五重塔
竹林寺には、かつて三重塔があったが、明治32年、台風で倒壊してしまいます。現在、境内にある五重塔は高知県で唯一のものとして、昭和55年に完成しました。総檜造りで、塔内にはインド・ブッダガヤから勧請された仏舎利を納めています。
立ち寄りスポット
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竹林寺宝物館
数多くの寺宝を持つ竹林寺。境内の一角にある宝物館には、藤原時代から鎌倉時代にかけての仏像17体を収蔵しています。それらの仏像はすべて国の重要文化財に指定されており、県内の重要文化財指定の仏像の4分の1に相当するそうです。中には本尊の文殊菩薩獅子台座、善財童子や最勝老人らの四侍者像もあります。
住所 : 高知県高知市五台山3577 TEL : 088-882-3085
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高知県立牧野植物園
植物学者・牧野富太郎氏の業績を記念して造られた植物園。園内には約1,500種の植物があり、牧野植物学習館や牧野文庫などの施設があります。平成11年11月には牧野博士の生涯を遺品、写真、模型などで紹介した展示室や、ガーデンカフェを備えた牧野富太郎記念館オープン。楽しく植物にふれられる施設として注目です。
住所 : 高知県高知市五台山4206 TEL : 088-882-2601
竹林寺までのアクセス
高知インターチェンジから、高知北環状線を高知市街方面へ向い、国道32号線に左折、高須新町4丁目交差点で右折した後、五台山方面へ。標識に従って山道を登ると、左手にあります。
- 高知インターチェンジからは約25分
- 第三十二番札所の弾師峰寺まで車で約20分
- 竹林寺
- 高知県高知市五台山3577
TEL : 088-882-3085
寝坊 : なし
駐車場 : あり(境内横、境内まで徒歩すぐ、無料、70台)
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