巡拝お寺ガイド
医王山 多宝院 いおうざん たほうざん こうやまじ 第七十四番札所 甲山寺
この地の聖者に守護され続ける寺
御詠歌 | 十二神味方に持てる戦には己れと心かぶと山かな |
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本尊 | 薬師如来 |
真言 | おん ころころ せんだり まとうぎ そわか |
宗派 | 真言宗善通寺派 |
開基 | 弘法大師 |
お寺の歴史・全体像
この辺りは、弘法大師の故郷で、幼少の頃は泥の仏像や草木の小堂を作って遊んだといわれる地です。平安時代初期、弘法大師が善通寺と曼荼羅寺の間に寺院を建立しようと霊地を探していました。すると、甲山の麓で一人の翁に出会い、「私は昔からこの地に住み、人々に限りない幸福と利益を与え、仏の教えを広めてきた聖者である。
この地に寺を建立すると良い。そうすれば、その寺は私がいつまでも守護するであろう」と告げたといいます。大師はさっそく石を割って、毘沙門天像を刻み、山の岩窟に安置しました。これが甲山寺の始まりです。後に琴平の近くにある満濃池という巨大な溜め池が決壊して、地元の人々は手を焼いていました。弘仁12年(821)、琴平の近くにある満濃池造の別当に任命された大師がわずか3ヶ月で完成させたと伝えられています。大師は朝廷から贈られた報奨金の一部を使い、甲山に堂宇を建立、この時、工事の無事を祈願して刻んだ薬師如来を本尊として安置しました。また、山の形が毘沙門天の甲冑の形に似ているので、寺号を甲山寺とし、札所に定めたと言われています。
お寺について
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本堂
山門を入ると正面が本堂。甲山の木々をバックに、風情を漂わせています。満濃池工事を祈願した薬師如来が祀られています。檜の一本造りで、重厚な力強い姿です。
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大師堂
大師堂は本堂の左手にある石段を登ったところの正面に建っています。中には黒衣をまとった大師像が祀られています。また、近くには鐘桜や毘沙門天を安置している岩窟もあり、いかにも霊地らしく、辺りは清浄な空気に満ちているようです。
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岩窟の毘沙門天
甲山寺の縁起となった毘沙門天像を安置している岩窟です。大師堂の隣にあります。この岩窟から翁が現れて、暗示を受けたと言われています。
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子安地蔵尊
大師堂へ登る石段の隣りに祀られているお地蔵様。ある時、子供に恵まれない女性がお参りして、地蔵の前掛けを持って帰ったところ、めでたく子供に恵まれたといいます。そのお礼に新しい前掛けを作ってお供えしました。それ以来子供を授かるありがたい地蔵として前掛けを持って帰っては新しく作り、お札にお供えしていく参拝者が跡を絶たないようです。側に「ありがたやめぐみもふかきちをわけて、いえのよつぎをまもるにほとけ」とある。
立ち寄りスポット
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喫茶 朝比奈
昆布茶接待の喫茶店。ドリンク、フード等、通常のメニューをオーダーしたお遍路さんに昆布茶のお接待を行っています。この一杯を楽しみに、毎回立ち寄るお遍路さんも多いようです。店内のアンティークな雰囲気にほっと一息つけます。ご主人が笑顔で「いってらっしゃい」と送り出してくれる心遣いもうれしい。
住所 :香川県善通寺市弘田町1817 TEL : 0877-63-2609
甲山寺までのアクセス
善通寺インターチェンジから観音寺市内向きに国道11号線へ。高速の高架をくぐると、看板が角ごとに現れるのでそれに従います。曼茶羅寺を過ぎて左折、直進すれば見えてきます。
- 善通寺インターチェンジからは約10分
- 第七十五番札所の善通寺まで車で約5分
- 甲山寺
- 住所 : 香川県善通寺市弘田町1765-1
TEL : 0877-63-0074
寝坊 : なし
駐車場 : あり(境内入口・境内まですぐ、無料、30台)
お気軽に
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