巡拝お寺ガイド
光耀山 千手院 こうようざん せんじゅいん かんおんじ 第十六番札所 観音寺
寺の長い歴史と古い町並みが溶け込む
御詠歌 | 忘れずも導きたまえ観音寺西方世界弥陀の浄土へ |
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本尊 | 千手観世音菩薩 |
真言 | おん ばざら たらま きりく |
宗派 | 高野山真言宗 |
開基 | 弘法大師 |
お寺の歴史・全体像
天平13年(741)聖武天皇の勅願道場として創立。その後、弘仁7年(816)に弘法大師がこの地を訪れ、等身大の千手観世音菩薩を刻んで本尊として、両脇侍に不動明王と毘沙門天を安置しました。これは観音菩薩の功徳と不動明王の威力、毘沙門天の授福にあやかるということで、焼山寺の三面大黒などと共通した様式です。寺はその後、長宗我部軍の兵火によって焼失しましたが、万治2年(1659)に再建されて現在に至ります。
かつて阿波の国の中枢があったこの場所も、現在は昔ながらの田舎町といった感じの住宅街の中です。毎日朝早くからお参りにやって来るという近所の人も多いらしく、町と溶け合った親しみやすさを持っています。境内もこじんまりしていて、鐘桜門を入ったすぐ目の前に本堂、右手に大師堂、本堂と大師堂の間に地蔵尊が祀られています。寺の堂宇は江戸初期の建築様式の特徴が随所に見られます。
お寺について
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本堂
本堂には松葉杖などの奉納物が多く、堂内には炎に包まれた女性が描かれた額が掲げられています。これは、境内で起こった不思議な実話に基づいて描かれています。明治時代、淡路島から訪れた6人連れがこの寺を訪れた時、ちょうど雨が降り出したので茶堂で休み、焚き火で白衣を渇かしていました。ところがこの時一人の女性の白衣に火が燃え移り炎に包まれたが、周囲の人々の救出で一命をとりとめました。災難だったとみんなで慰めていると女性は神妙な顔で、「実は昔、仲の悪かった姑を柱に縛り付けて、薪の燃え残りで叩いていじめたことがある」と告白しました。大師からその戒めを受けたと深く反省し、この絵を奉納したのだといいます。
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夜泣き地蔵
この尊像は、子供の夜泣きを止めてくれる地蔵尊として夜泣きに困った親達がお参りに来るそうです。ご利益にあずかった人達がお礼に新しいよだれかけを奉納していくそうで、地蔵には何枚もよだれかけが掛かっています。お年寄りの、よく寝られるようにという願いも叶えてくれるといいます。
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鐘桜門
一際目立つのが鐘桜門。和様重層の堂々とした門で見応えもたっぷりです。また他の寺とは違い、境内と外界の境を塀ではなく、「金五拾円」「金二百円」などという寄進額を彫り込んだ石柱で区切っています。
観音寺までのアクセス
藍住インターチェンジから県道1号線を徳島市内へ行き、国道192号線と合流すると石井町方面へと走っていると看板があるので、それに沿って県道123号線へ。
- 藍住インターチェンジからは約20分
- 第十七番札所の井戸寺まで車で約20分
- 観音寺
- 住所 : 徳島県徳島市国府町観音寺49-2
TEL : 088-642-2375
寝坊 : なし
駐車場 : あり(境内すぐ横・境内まですぐ、無料、6台)
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