巡拝お寺ガイド
室戸山 明星院 むろとざん みょうじょういん ほつみさきじ 第二十四番札所 最御崎寺
神秘体験が物語る大師悟りのルーツはここにあり
御詠歌 | 明星の出でぬる方の東寺暗き迷いはなどかあらまじ |
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本尊 | 虚空蔵菩薩 |
真言 | のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきや まりぼり そわか |
宗派 | 真言宗豊山派 |
開基 | 弘法大師 |
お寺の歴史・全体像
室戸岬周辺は、かつて無名の青年だった弘法大師が荒磯修行に来た場所で、岬の洞窟にこもり虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)を修行したといいます。その時空に輝く明星が大師の口に飛び込み、大師はここが仏法の最適地であると感得、虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)の蔵を刻んだといいます。つまりこの岬は大師が最初に悟りを開いた場所と伝わります。
その岬の頂上にある最御崎寺は、「東寺」の愛称で知られ、寺域は45万9845平方メートルを誇る。大同2年(807)、唐から帰朝した弘法大師は、再びこの地を訪れ、嵯峨天皇の勅願を受けて伽藍を建立しました。寺は歴代天皇からの信仰も厚く、足利尊氏はここを土佐の安国寺として利生塔(りじょうとう)を置きました。近世初期には落雷火災に遭い堂宇を焼失したが、元和年間(1615~1624)には土佐藩主・山内忠義の援助で、僧・最勝が再興。堂宇を建立し、七堂伽藍が整備されました。明治初年の神仏分離令により堂宇は荒廃するが、大正時代に再興されます。境内には明星石やくずら芋など、大師にまつわる旧跡も点在。
お寺について
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大師伝説の残る岩
最御崎寺への登山道の途中には、弘法大師ゆかりの場所があります。大師が一夜のうちに建立したと伝えられる「一夜建立の岩屋」から少し登ったところに、「捻り岩」という洞窟があります。ここには、大師の母君である玉依御前が、大師の身を案じて男装して訪れた際に、嵐が巻き起こったため大師が真言を唱えて風を静め、岩を念じ伏せた、という伝説が残っています。このことから女人禁制となったと言われています。
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本堂・大師堂
風格を漂わす山門をくぐると、南国情緒あふれる境内へ。正面には亜熱帯植物に囲まれた本堂、左手には大師堂、右手には多宝堂があります。本堂の奥には宝物館、聖天堂、護摩堂、遍路センターなどがあります。
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宝物館
宝物館には数々の寺宝を保管しています。特に大師が唐から持ち帰ったといわれる大理石丸彫りの石造如意輪観音半跏像、薬師如来像、月光菩薩像の3体と足柄時代の銘入りがある三足の丸盆一対は国指定の重要文化財です。
最御崎寺までのアクセス
南国インターチェンジから、室戸を目指す方向で国道32号線・国道55号線と走り、室戸スカイラインへ左折。そのまま9km道なりに走ると、正面に駐車場があります。
- 南国インターチェンジからは約2時間
- 第二十五番札所の津照寺まで車で約15分
- 最御崎寺
- 高知県室戸市室戸岬町4058-1
TEL : 0887-23-0024
寝坊 : あり
駐車場 : あり(門前・境内まで徒歩約5分、無料、50台)
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