巡拝お寺ガイド
医王山 遍照光院 いおうざん へんじょうこういん おおくぼじ 第八十八番札所 大窪寺
緑深い山中で遍路を迎える「結願の寺」
御詠歌 | 南無薬師諸病なかれと願いつつ詣れる人はおおくぼの寺 |
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本尊 | 薬師如来 |
真言 | おん ころころ せんだり まとうぎ そわか |
宗派 | 天台宗 |
開基 | 行基 |
お寺の歴史・全体像
遍路の締めくくりとなる、八十八番の「結願寺」。矢筈山の東腹の山中にあります。養老年間(717~723)、行基が堂を建立したことに始まります。その後弘法大師が巡錫中、胎蔵ヶ峰(たいぞうがみね)の岩窟で求聞持法を修し、薬師如来を刻んで本尊とし、堂宇を整えたといいます。この時大師は、唐の恵果阿闍梨(けいかあじゃり)から授かりました。三国(インド・唐・日本)伝来の錫杖も本尊と共に納めています。その後寺は多くの信者を集め、僧坊も100を超える程だったと言います。また早くから女性の入山を許していたので「女人高野」とも呼ばれ栄えていましたが、天正の兵火で焼失。
初代高松藩主松平頼重が寺領を寄進し再興。2代頼常も本堂や仁王門の修復を行いました。しかし明治33年(1900)の火災で堂塔を焼失し、二天門を除く現在の建物はその後再建されたものです。木々に包まれた境内は、四季折々に美しく、遍路の疲れをいやしてくれます。
お寺について
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本堂
正面の札堂と中殿、多宝塔のような奥殿から成り、本尊と三国伝来の錫杖は奥殿にまつられています。本尊はホラ貝を持った珍しい姿の薬師如来で、このホラ貝ですべての厄難諸病を吹き払うといいます。
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大師堂
石段を登った所にある大師堂内へは地下の内拝口から入ります。内部には八十八ヶ所の本尊がすべてまつられており、八十八ヶ所のお砂踏みもできる(納経所で申し込み。)
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奉納金剛杖
境内には、結願したお遍路さんが奉納した金剛杖や管笠が大量に置かれています。88の札所を無事に巡り終えたことの証です。これらの奉納品は毎年春分の日と8月20日に催される柴灯護摩供(さいとうごまく)で焚き上げられます。また大師堂横に、金剛杖を納める「寶杖堂(ほうじょうどう)」が造営されています。
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種田山頭火句碑(たねださんとうかくひ)
阿弥陀堂前にある「ここが打留の水があふれてゐる」の句碑。漂泊の歌人・山頭火が当寺で詠んだものです。山頭火は長尾町で多くの歌を詠み、町内には「夜が長い谷の瀬音のとほくもちかくも」など、10基ほどの句碑が建てられています。
大窪寺までのアクセス
高松西インターチェンジから国道32号線・11号線東バイパス・県道10号線を経由し長尾町へ。長尾町役場前から県道3号線を南下し、二叉路を左折して国道377号線へ。標識に沿って道なりに進みます。
- 高松西インターチェンジからは約1時間40分
- 第一番札所の霊山寺まで車で約2時間
- 大窪寺
- 住所 : 香川県さぬき市多和兼割96
TEL : 0879-56-2278
寝坊 : なし
駐車場 : あり(山門前・境内まですぐ、無料、100台)
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