巡拝お寺ガイド
西林山 三蔵院 さいりんざん さんぞういん じょうどじ 第四十九番札所 浄土寺
空也上人ゆかりの寺重文の本堂は唐様式の風格あり
御詠歌 | 十悪のわがみをすてずそのままにじょうどの寺へまいりこそすれ |
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本尊 | 釈迦如来 |
真言 | のうまく さんまんだ ぼだなん ばく |
宗派 | 真言宗豊山派 |
開基 | 恵明上人 |
お寺の歴史・全体像
小高い山を背にした浄土寺は、天平勝宝年間(749~757)に孝謙天皇の勅願で、恵明上人が行基作の釈迦如来をまつって創建したと伝えられている。最盛期には66坊もの末寺を持つ大寺院だったというが、後に弘法大師が訪れたときには荒廃。大師により伽藍が、また鎌倉時代には源頼朝が再興したが、応永4年(1397)には兵火によって堂宇を焼失。またも寺運は衰退した。
だが、文明14年(1482)に伊予の豪族・河野通宣が再建。現在の本堂はこの時に創建されたものだ。慶安2年(1649)の大修理などを経て、今日に至っている。また、浄土寺には平安中期に市聖(いちひじり)・空也上人が3年間滞在したといわれており、近くには彼が修行した「空也谷」がある。さらに境内には、「空也松」と呼ばれる松の木の根株も残っている。空也上人は念仏踊りの開基で、南無阿弥陀仏の念仏を世に広めた人物。空也はこの地を去る時に、村民の願いを受けて自身の像を刻んだ。この像は重要文化財に指定されており、今も寺に残されているという。
お寺について
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本堂
簡素ながらも堂々とした風格をたたえた本堂は、文明14年(1482)に創建されたもの。本瓦葺き、寄棟造りで、重要文化財にも指定されているが、和様と唐様が折衷した室町時代の代表的な建物として興味深い。本堂の内陣にある一間厨子も再建時そのままの貴重な建造物。本堂・厨子ともに昭和36年に解体・修理が行われた。
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大師堂
本堂に向って右手には、大師堂と鐘楼がある。千社札や幟旗、わらじなど様々な奉納物が飾られた大師堂は、親しみやすい雰囲気。左手には阿弥陀堂、観音堂がある。
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重要文化財の空也人上像
空也上人像は、上人がこの地を去る時に村人が「お姿だけでも・・・」と懇願したため、自らが彫ったもの。像高1.33mで、胸に金鼓をかけ、右手には撞木、左手には鹿杖を握っている。この上人像の口からは針金が出ていて、そこには6体の小さな仏像が。これは、上人が唱えた「南無阿弥陀仏」の6文字の念仏が仏の姿になったことを意味しているとか。空也上人像が安置されているのは国内に2体だけ。このほかには京都の西国六波羅密寺にある。
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仁王門
仁王門は大正11年(1929)に建立されたもの。右側に立つ金剛力士・阿形像には目玉がなくて、思わずびっくり。この目玉が失われている理由については「心のない人が盗んだ」とも言われている。
立ち寄りスポット
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媛彦温泉
うたせ湯、サウナ、ジェットバスなど7種の浴槽を備えた近代的な温泉施設。泉質はアルカリ性単純泉で、疲労回復や神経痛、関節痛、冷え症などに効能があるといいます。館内には軽食堂を備えており設備も万全です。繁多寺のお膝下にあるので、お参りの後にはぜひとも立ち寄って、7つの湯をはしごして疲れを癒したいです。
住所 : 愛媛県松山市畑寺3-4-5 TEL : 089-960-1441
浄土寺までのアクセス
松山インターチェンジから国道33号線を松山市街へ。天山交差点を右折し、環状線に入ります。枝松交差点を右折し県道40号線を川内方面へ。約3km走り、左折すると正面に見えます。
- 松山インターチェンジからは約40分
- 第五十番札所の繁多寺まで車で約5分
- 浄土寺
- 住所 : 愛媛県松山市鷹子町1198
TEL : 089-975-1730
寝坊 : なし
駐車場 : あり(茶堂前・境内まで徒歩1分、200円、13台)
お気軽に
どうぞ!!