お遍路ブログ
安産祈願の帯石。帯石観音さまvol.2
平成24年4月6日 遍路の大先達・鉄人。中務茂兵衛さんvol.1
平成24年4月7日 遍路の大先達・鉄人。中務茂兵衛さんvol.2
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続き
安産祈願の帯石と南無阿弥陀仏の御筆、金剛水を頂いて、
これから本堂のお参りです。
お祀りされている御本尊は千手観音さま。
御真言は「おん ばざら たらま きりく」
お堂の扉を開けると・・・
向かって左側には、お地蔵さまがびっしり奉納
お祀りされている人形からして、水子供養でしょうか。
(ここの寺院ではありませんが)お寺の人から聞いた話。
数百年の歴史がある寺院であれば、所有している過去帳に記されている7・8割の方は未成年。
更にそのうちの殆どは、7歳までの幼児だそうです。
食糧事情・栄養状態があまり良くない昔は、死産や夭折の他、
堕胎より母体に負担が少ないと言う理由から、間引きが行われていたことが主な理由。
子の成長を祝う行事に「七五三参り」があります。子どもの成長を、節目節目で祝う行事だが、
昔は(数え年で) 7歳になるまでは、子どもはあの世とこの世の境目に位置する存在とされていた。
そのため間引きは7歳が期限、その年齢に達するまでは
「一旦はウチが預かったが諸々の事情により神様にお返しする」 との感覚であった。
(昔で言う)神様の元に帰って行った後の祀り方は、早世した人間は現世のしがらみが少なく、
簡素な供養の方が転生がスムーズとの考えから、比較的簡素な水子供養の形となったそうです。
こう言った慣習・生命観は明治維新以後、西洋に習って改められていったものですが、
それでも地方では比較的近代まで残っていたと言われています。合掌
お堂の右手に目を向けると、こちらはおっぱい絵馬
安産のお寺さんの定番であり、乳出しを良くする意味から、この形。
でも、ここはちょっと違う??
絵馬をよく見ていると、老いた女性の奉納が多く存在します。
となるとこれは乳癌予防? それとも、子孫繁栄の意味でしょうか?
ホコリや台紙の年期の入り様から、奉納日が書いていない物も、最近の奉納ではない気がしました。
中央のお堂、格子の奥から伸びるカラフルな紐は・・・
お堂の前、扉まで伸びています。
おそらくご本尊さまと繋がっている、いわゆる「回向の糸」。
しっかり握って御本尊である千手観音さまと、ご縁を結ばせて頂きました。
水子供養祀りの習俗には大変興味があり、実際目にすると非常に感慨深くなります。
それは妹が夭折しているからでしょうか。
続く
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文 : 四国八十八ヶ所霊場会公認先達 / 四国六番安楽寺出家得度 野瀬照山
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