お遍路ブログ

高知県

土佐のへんろころがし

道路整備によって、実のところ長大な遍路道と言う物は、四国全体で見てもあまり残っておりません。

特に土佐国は、四国四県の中で遍路(道)情勢が最も変化した国と言っても、過言ではありません。

 

そんな中にあって、最も長大な遍路道が「そえみみず」と言われる5kmに及ぶ遍路道。

 

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そえみみず、漢字では添蚯蚓と書きます(私はミミズの漢字をここで初めて知りました)。

久礼坂の北側、なだらかで長い道が続きます。その道を山肌にミミズが這っている様子に例えてついた名称。

 

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近年、四国横断道路建設のため、ミミズのしっぽに当たる部分が開削されました。

それに伴って、道の一部が長大な階段に変わりました。平成のお遍路さんにとって、

そえみみず道 最初の試練 と言って良いでしょう。自然や歴史の観点から言えば残念な結果ですが、それも致し方ない事。

お遍路さんであれば、代替階段を付けて下さった事に感謝を忘れてはいけません。

 

それに「この道路が完成して貴方は通らないのですか?」と言われれば、通るでしょうし。

遍路道は今も昔も、生活道であることを忘れてはいけません。

 

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そえみみず及び大坂谷に真反対側にある古道が「片坂」

片側にしか坂が無いことが、名の由来

 

ここは全遍路道中でも五本の指に入る、急な下り

距離は1km弱ですが、慎重に下りて行かないといけません。雨天時は国道通行が賢明

 

余談ながら、この坂の途中から目指す38番は75kmもあるのですね。気の遠い話です

 

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遍路道という概念は最近の物。

 

昔のお遍路さんは、その道を通ることが多かった、が正解

 

解釈する方によっては、お遍路さんはその道を通らないといけない

そう思われている方々がいらしゃいますが、少し違います。

歩き遍路は歩くことが重要で、歩く道の内容にこだわるのは観光視点。

命をかけて歩いていた昔のお遍路さんは、橋やトンネルがある時代ではなく、先に進むには

峠であろうが岩場であろうが、そこを通るしかなかったので、止むを得ずその道を通った。

今のように坂を回避する道や短絡ルートが存在すれば、そちらを歩いたことでしょう。

 

古道が残っている所は保全に尽力された方あっての道。

お遍路道を歩かせて頂いている事に感謝を忘れてはいけません。

 

 

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文 :四国八十八ヶ所霊場会公認先達 / 四国六番安楽寺出家得度  野瀬照山

 

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